狂った博学

コピータイプC 


久々にアレに再会した、アレはアレで私の事を覚えていない用だが、どういう事だろう。

話をしたのだがどうも辻褄が合わないアレはやはり魔洸により少々イカレてしまったようだ。
まぁ、そうでもないと私はアレと会った瞬間に殺されていたのだろうがな、良しとしようか。

どうもアレは自分の事をタイプZと思い込んでいるような…だがしかし自身の事はCだと認識していた


アレはどうも可笑しな思考回路があるようで、「彼と自分の境目」が判らなくなってしまったらしい
上手い様に「美味しい所だけ摘んだ」と言うのが判り易いだろか、"完璧"には程遠いが
技から何から全てタイプZのレプリカだ、なのに感情や人格はZの物とも元の物とも違っている
何故だ。私は"完璧"のコピーを作り上げたというのにZもCもなんとも失敗作だった。

偏にアレに移植した遺伝子による効果というか副作用によるものらしいが、
元人格から明らかに別の何かの意思を反映した人格に形成されている。興味深い。

その様な症例があったとは…実に興味深い。



そういえば"完璧"もとい、息子が(遺伝子上で、だが)突如人格がガラリと変わったのを思い出した
今思えば元より存在していた息子も又、己の中にある何かと闘っていたのだろうか、
早々とその様な人格など捨て去ってしまえばいい。そうすれば私の実験は始めて成功する。

私の望む"息子"は"完璧"でなくてはいけないのだ


"人格"それがある限りCもZも"完璧"に成り得ない。だから狂い、やがて自身を死に追いやる。
我が妻がそうであったように、なんとしてもそれだけは阻止しなくてはならない。

自我こそ忌むべき存在。それさえなければ彼等は"完璧"でいられるのだから。